地域を知ろう~今泉の歴史と文化~

 

1118日(土)「地域を知ろう~今泉の歴史と文化~」を開催しました!

 

本企画は、この秋に完成した“みんなでつくったたかたの教科書”の発行記念企画第1弾として、「地域を知ろう」をテーマに陸前高田の各地区についてより深く知ることを目的に開催。

今回は今泉地区にスポットを当て、今泉地区の歴史や文化について学びました。

 

前半は、復旧中の岩手県指定有形文化財「旧吉田家住宅主屋」を見学しながら、吉田家の歴史や役割、また建物について教えていただきました。

後半は、今泉地区コミュニティ推進協議会会長菊池満夫さんを講師に迎え、宿場町として栄えてきた今泉地区の歴史・変遷についてお話いただきました!

 

開催前日は大荒れの御天気でしたが、当日は気持ちのいい秋晴れの中、市内外から15名の方に参加いただきました。

◆大肝入吉田家

まずは座学で、旧吉田家住宅についての基礎知識をインプット。

今回は、陸前高田市教育委員会の佐々木敦美さんと学芸員の曳地隆元さんに、吉田家の歴史や役割、震災後の復旧への道程などについて教えていただきました。

 

みなさんは「大肝入」や「お白州(おしらす)」という言葉の意味はご存じでしょうか?

大肝入とは庄屋の取りまとめ役お白州とは裁判をする場所奉公所ことを言います。

吉田家の初代大肝入吉田宇右衛門(筑後)は、元和6年(1620年)に仙台藩祖伊達政宗より気仙郡24箇村の大肝入に任命されており、仙台藩の大肝入が地方役人の中でも、最上位に位置する役職だったことから、吉田家がこの地域きっての有力者であったことがわかりますね。

 

また、吉田家住宅の復旧への道程のお話では、部材の回収から使用箇所の特定、洗浄、補修、代替部材の製作などたくさんの時間と作業がかかっていること知り、復旧の大変さを感じました。


◆旧吉田家住宅主屋を見学

座学の後はヘルメットを装着し、復旧中の旧吉田家住宅主屋を見学。ここでは棟梁の藤原出穂さんに、建物や気仙大工・左官の技術についてお話いただきました。

 

ほぼ完成間近なその外観は、近くで見ると大迫力。

立派な茅葺き、煙出し。

内部に入ると、柱や梁の組み方、土壁や戸など細部に気仙大工の技が!

部材は写真など資料を見ながら一つずつ使われていた場所を特定し、破損部位は新しい建材で補修して使用しているそうで

「残っている部材から無い部分の長さなどを算出したりしている。当時の番付が残ってないから大変。」

と藤原さんは復旧の苦労もお話してくれました。

 

みなさん説明を聞きながら「こうなってるんだ~!」と技術に驚き、「これはどうなっているんだろう?」さらに興味を持っている様子。

見学を通じて、気仙大工・左官に興味関心を持った人も多いようです。


◆今泉の歴史と文化

後半は今泉コミュニティセンターに移動し、今泉地区を深掘り☆

菊池会長には「今泉地区の今と昔」と題して、地域の歴史や文化についてお話しいただきました。

 

昔から宿場町として栄えてきた今泉地区の人々の暮らし。

1600年代からの町の歴史を振り返るとともに、各年代の地図や写真を見比べながら町の変化について説明いただきました。

 

特に興味深かったのは「昭和初期の商売屋・事業所一覧」。

130ものお店の名前が並ぶ一覧から、通りにお店が並び賑わっていた当時の町並みが浮かぶようでした。

参加者の皆さんも説明を聞きながら、大きく頷いたり、メモを取ったりと熱心に聞き入っていました。

 

最後には地域の課題として、コミュニティの再構築、リーダー(担い手)の育成や伝統文化の継承、空地の利活用・維持管理など様々な課題挙げ「今泉地区のまちづくりはこれから。できることから徐々にやっていきたい。」とこれからのまちの展望をお話しいただきました。

地域の歴史や文化を知ることも、それらの課題を解決する第一歩ですよね。

 


教科書発行記念企画第一弾は、旧吉田家住宅主屋の前で記念撮影📷

 

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今回は市内外の方にご参加いただき、教科書には載せきれなかった地域の歴史や文化より深く学ぶ時間となりました。 

 

 

参加者された方からは「今泉地区の歴史に触れ、知らないことをたくさん知れた。」「大庄屋の主屋を実際に見ることができ、棟梁から話を聞いてより興味が湧いた」と感想をいただき、改めて地域を知る学びの機会になったようです。

普段住み慣れている町だからこそ、その地域の歴史や文化について見逃していることもありますよね。まさに灯台下暗し。

改めて、自分の住んでいる地域に目を向けてみると、新たな発見が出来るかもしれないですよ。

 

今後も「地域を知ろう」をテーマに、他の地区も取り上げていきますのでぜひお楽しみに~!